なぜ新規事業は失敗するの?よくあるケースを整理してみた

start-up day

新規事業の立ち上げは非常にエキサイティングな仕事だと考えています。

私自身も、学生時代から多くの新規事業に携わらせていただいていますが、個人的には新規事業を立ち上げることが仕事の一番のモチベーションになっています。

しかし一方で、新規事業の成功確率は5%や1割などと言われており、志を高く持って新規事業を立ち上げても、そのほとんどは失敗に終わるのが現実です。

そこで今回の記事では、新規事業が失敗する理由(原因)を、事例も交えながら整理してみたいと思います。新規事業が失敗する理由を知ることで、新規事業が失敗する可能性を多少なりとも減らせるかもしれません。

新規事業の立ち上げを検討している方や、検討してはいないものの失敗理由を知りたいという方などに見ていただきたい内容です。

新規事業が失敗する理由その①:顧客のニーズを汲み取れていない



新規事業が失敗に終わる最も大きな理由は、顧客のニーズに沿っていないサービスや商品販売を展開してしまうことだと言われています。

「顧客のニーズを汲み取れていない」と一概に言っても、その背景には下記二つの原因があると考えられます。

プロダクトアウトの思考に偏っている

プロダクトアウトとマーケットインという2つの考え方がありますが、
プロダクトアウトで立ち上げているケースの話になります。

https://ferret-plus.com/1127
– プロダクトアウト・マーケットインとは?誤用されがちな両者を解説します

ferret

簡単に言うと、プロダクトアウトの思考とは、自社内の計画や能力を基準に、新規事業を展開する方法です。

具体的に言うと、「自社の持つ○○という強みを活かせるから」とか「自社には○○という課題があるから」といった理由で、新規事業を展開するケースが、プロダクトアウトの考え方になります。

確かに強みを活かせたり、自社の課題を解決する形で新規事業を始めるのは、間違っていません。問題なのは、プロダクトアウトの思考に偏りすぎることです。

新規事業を実施する際、顧客のニーズに合致するプロダクトを提供しないと、新規事業が失敗する可能性が高まってしまいます。

自社の強みや課題を踏まえつつ、顧客のニーズにも目を向ける必要があると言えるでしょう。

顧客のニーズを考えてはいるものの、十分検討できていない

次は、上記のプロダクトアウトと比較してマーケットインの考え方に近い方法です。

基本的に多くの会社では、新規事業を立ち上げる際に顧客ニーズを検討するかと思います。

それでも失敗してしまうのは、顧客のニーズを十分汲み取れていないことが原因かもしれません。

たとえば企業が顧客の抱えるニーズをどれほど想定しても、「実際にはそんなニーズは無かった」というケースは多々あります。もしくはニーズはあるものの、「お金を払ってまで解決すべきニーズでは無かった」というケースも考えられます。

新規事業の成功可能性を高めるためには、お金を払ってでも解決したいニーズを汲み取る方が良いと言われています。とはいえ、どれほど市場調査をしたところで、100%顧客の潜在的なニーズを汲みとれるとは限りません。

そこでオススメなのは、最初は試作品的なもので、顧客のニーズを確かめることです。顧客のニーズが存在することが判明してから、本格的に新規事業を始めることで、失敗するリスクを低減させることができます。

このような新規事業の立ち上げ方法を、「リーンスタートアップ」と言います。リーンスタートアップについて詳しく知りたい方は、下記の本をご参考にいただければよいかと思います。

リーン・スタートアップ ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす

新規事業が失敗する理由その②:市場参入のタイミングを見誤る

市場参入のタイミングは非常に大切です。うまく行っている事業のケースを見ていると、ビジネスモデルだけでなく参入タイミングが抜群です。

顧客のニーズを掴めていて、かつ魅力的なサービスや商品であっても、タイミングを間違えると、新規事業が失敗する可能性は高まってしまいます。

たとえば顧客のニーズが十分あると分かった段階で新規参入した場合、すでに競争が激化しているため、新規事業が成功する可能性は低くなります。差別化戦略により後発企業が勝つケースもあるものの、難易度はかなり高いでしょう。

新規事業を失敗させないためには、やはり「他社に先駆けて顧客のニーズを汲み取った上で、新規事業を展開する」戦略が良いと思います。

市場の変化や技術の進歩に常に気を配り、時の経過によって変わる顧客のニーズをいち早く捉えることが、新規事業の成功可能性を高める上で重要だと考えています。

新規事業が失敗する理由その③:経営資源(スキルや人材)の不足

新規事業が失敗する三つ目の理由は、経営資源の不足です。

どれほど優れたプランがあっても、それを実行できる経営資源(スキルや人材など)が無ければ、新規事業を展開するのが困難となるでしょう。

たとえば、流行りのAIやSaaSの事業を始めようと思ったら、基本的には技術に長けているエンジニアなどの人材が必須となります。もしくは純粋に商品を販売する新規事業であれば、営業のためにより多くの人材が必要になるでしょう。

計画を達成するために必要な経営資源が揃っていなければ、新規事業が失敗する可能性は跳ね上がってしまうかもしれません。

個人的には、特に人の問題が大きく関わってくるものと考えています。

  • 人材のリソースが不足している(採用力)
  • すぐに人が辞めてしまう、パフォーマンスが最適化されていない(組織力)

などはよくある問題かと思います。事業は人が作るもの。人にまつわる課題は、最優先で対応すべきかと思います。

実際にあった新規事業の失敗例

ケース1.当初見込んでいた顧客がつかなかった(コンサルティング事業のケース)

社外の人脈も豊富な企業で既存の販売事業だけでなく粗利率の高いコンサルティング事業を立ち上げようとしていたA社。

ところが、実際にコンサルティング事業を開始したら顧客がほとんどつかず。

顧客のニーズを十分に検討できていないがために、起こってしまった失敗です。
販売しているプロダクトと近い領域の知見があるからコンサルティングサービスもセットで提案しよう。そんな安易な考えでスタートしたようですが、差別化のしずらいサービスほど顧客ニーズはしっかりと検討したいものです。

ケース2.資金がもたなくなった(店舗経営のケース)

初めての決算を終え、2年目に飲食店経営のB社。これまでにないコンセプト(海外で流行っている商品を扱う)高級路線での飲食店を実現するため内装を豪華にし、立地のいい場所に店舗を構えたのですが、当然賃料も高く、予定していた経費の見積もりをはるかに超えた状態でした。

また、当初見込んでいた売上げにもはるかに及ばず、従業員への給料の支払いも厳しくなり、資金が底をつきそうな状態になってしまいました。

まだ、日本でその商品の認知がなく。マーケットを作れなかった失敗です。

また、キャッシュをどう回していけばいいかを全く考えていなかったため、莫大な経費がかかるのに、実際のところはそれを補填できるような売上げが立っていませんでした。開業当初は、「これだけ内装にもコストをかけたのだから、きっとお客さんが来てくれる」と甘い見込みを立てていたのだと思います。

参入するマーケットやタイミングはしっかりと検討したいものです。

ケース3.3人で起業してケンカ別れした場合(EC事業のケース)

友人同士で起業したC社。もともと友人が発起人だったこともあり、経営面では友人Dが、仕入先の開拓や販路拡大のための営業など実質面についてはEさんが担当していました。

1年ほどで軌道に乗り順調に売り上げを伸ばしてきたところ、友人がマーケティング予算を増やすことを提案してきました。しかし、Eさんは納得しなかったためだんだんギクシャクしていったそうです。

結果、半年ほどたっても経営方針の齟齬が解消されず修復不可能に近い人間関係になってしまいました。

これは、組織の問題による失敗です。

組織課題は早急に対処して解決すべきと考えさせられるケースです。

まとめ

今回の記事では、新規事業が失敗するケースを、失敗事例を交えつつご紹介しました。

新規事業が失敗する理由には、顧客ニーズを汲み取れていないことや経営資源の不足など様々です。

新規事業を始める際には、あらかじめ失敗する理由(原因)を知っておくことで、失敗するリスクを1%でも減らせると思います。今回ご紹介した内容が、新規事業の立ち上げ時に役立つと幸いです。

新規事業立ち上げや進める上でサポートが必要となった際は、ぜひお気軽にご相談ください!